昨年、市議会へ風力発電計画の中止を求める陳情書を提出した後、多くの方々にご理解とご協力をいただくことができ、各団体からも風力発電への計画反対の意思を事業者へ示していただきました。そして、先日事業者より本計画を断念する発表がございました。
世界中で飲料水の枯渇、汚染などの問題が起きている中、私たちの生活水を支える水源域に風力発電を建設することは将来に取り返しのつかない事態を招きかねないリスクがあります。自然豊かな森林環境を何十ヘクタールも喪失することは、脱炭素と持続可能な社会の構築という観点からは疑問を感じざるえません。また、地震大国の山々の山頂に風力発電の建設をすることはリスクが大きく、能登半島の風力発電施設も多大な被害を受けました。脱炭素はグローバル政策であるから良いもの、長いものには巻かれれば良いと、なし崩し的に受け入れるのではなく、国土風土に合わせてよく検証を重ねて取り入れて行くべきです。地方は衰退し、これから先も足元を見た儲け話や失策の負担が増えてくると思います。今回の風力発電は始まりに過ぎないと感じます。自分たちの地域は自分たちで守らなければならない。今まで以上に情報を収集し、分析と見極を行い、地域の人たちと連携、共有し意見交換を行う。こういった体制を作り上げて維持していくことがこれからの地域社会には必要不可欠なことなのかもしれません。
「風力発電施設建設を断念 安来、雲南で計画の民間事業者 環境への影響、収益性を考慮」山陰中央新報より