当会がJREさんへ令和5年3月30日に送付した公開質問状について、先日回答をいただきました。
この回答に対する内容には、多くの事実と相違点が見受けられたため、再度の問い合わせを行うことにしました。
以下質問全文です。
令和 5 年 5 月 18 日
ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
代表取締役社長
竹内 一弘 様
(仮称)日向山、大出日山風力発電事業の周辺地域への影響に関する公開質問状
出雲・伯伎 神話の里と豊かな自然を守る会
島根県安来市伯太町母里133
共同代表 木村 良臣、ファティフ イムラン
当会が令和5年3月30日にお送りした公開質問状につきまして、お忙しい中ご回答をいただき、心から感謝申し上げます。まずは、この場を借りて御礼を申し上げさせていただきます。ご回答いただいた内容につきましては、質問と合わせて、貴社のご意向の通り回答全文を参照できるように当会のウェブサイトへ掲載させていただきました。また、4月中におかれましては、対象事業予定地周辺の各地区で何度も方法書住民説明会を開催されたことにつきまして、ご関係者の皆様には多大なご苦労があったことを心からお察し申し上げます。しかしながら、そのような状況の中で、貴社の方法書説明会に於いては賛同の声よりも、大変多くの不安と不満の声が多く上がったことは、貴社もご承知のことと存じます。
住民からの環境影響調査方法に関する質問に対して、実際には貴社の既存施設の運用実績や確立された一般的な予測計算から回答できると思われる質問についても、「方法書段階のため、調査してみないとわからない」とする合点のいかない不明瞭な答えが多かったことがその原因にございました。安来市文化ホール・アルテピア大ホールにて行われた最後の説明会では、予定時間を大幅に過ぎても、住民との話し合いは質問と回答が上手くかみ合わず、平行線のままで終わりました。方法書説明会では、即答が難しい質問内容も多くあったことは理解しておりますが、その結果、地域の住民や関係者より当会にも多くの意見や質問が寄せられました。つきましては、あらためて取り纏めさせていただきましたので、ご質問させていただきます。ご回答のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
■ 質問1のご回答に対する追加質問:
問1) 「保安林内に送電鉄塔を設置する場合は、厳しい技術的基準を満たすこと」とのことですが、通常の保安林内作業許可の他に技術的基準なるものがあるという事を寡聞にして存じません。それは何か?技術基準についてご説明をお願いいたします。
問2) 風力発電機も一般的な森林ではなく保安林内だと特に「厳しい技術的基準」とあるが、それは何か?
問3) 貴社の既設の風力発電所において保安林内ではどのような「厳しい技術的基準」を満たし、建設されたのか実例を教えて下さい。
■ 質問2のご回答に対する追加質問:
問4) 水源地だからという理由での「厳しい技術基準」の追加というものは寡聞にして存じ上げません。「厳しい技術基準」に従うということですが、それは何か?
■ 質問3のご回答に対する追加質問:
問5) 各種保険とはどのような保険なのか、住民が安心できるようなものなのか?貴社の既存の風力発電所において契約されている保険の内容を開示できる範囲で構いませんので実例をお教えください。
問6) 「事業に起因する災害~補償する」とのことですが、貴社の既存の風力発電所においては、どのような契約書を結ばれ、その中では「自社に責任がある」とどのような調査によって決まるものとしているのか?
問7) 貴社の風力発電所において維持管理や調査を日頃どのように実施しているのかお教えください。
■ 質問4~6のご回答に対する指摘及び追加質問:
指摘事項)
比婆山は観光地でも商業施設でもございません。母神御陵地を「利用状況」と表現されるのは信仰する地域住民に対して配慮を欠いており、不適切と存じますので、その点につきましては申し入れさせていただきます。
問8) 環境影響評価法の手続きは、事業の是非を判断するものではなく、事業者の自主判断で進めるものですが、貴社は事業の是非の判断を特別に求める方針であるかのように方法書説明会に於いても公言されていました。貴社が特別に事業の是非の判断を外部へ求める方針との理解でよろしいでしょうか?
問9) 貴社の既存発電所においては独自にどのような外部専門機関に依頼して、どのような厳しい審査を受けたのか具体的な実例をお教えください。
■ 質問7のご回答に対する追加質問:
問10) 「本事業にて整備する林道を通じて、現在管理が行き届いていない山林の管理や人材育成を可能にする効果」とご回答いただきましたが、貴社の既存の発電所において、どのような「管理の行き届いていない山林の管理や人材育成」をされているのか、実例を教えて下さい。
問11) 「再生可能エネルギーを通じての教育の場の提供や若手技術者の養成」とのことですが、貴社の既存の発電所において何人の長期雇用創出が実現したのか?お教え下さい。
問12) 「地域の特性に応じた貢献策」とのことですが、貴社の既存の発電所においてどのように実現されているのか?をお教えください。
■ 質問8のご回答に対する追加質問:
問13)
貴社の既存の発電所において「風力発電所を通じて観光や雇用創出」の経済効果がどれくらいあったのか?実例をお教えください。
■ 質問12のご回答に対する追加質問:
問14)
「債権者において事業継続が可能な仕組み」とはどのような制度と契約書に基づくものなのか貴社の既存の風力発電で使われている制度と契約書の実際をお教えください。なお、「債権者において事業継続が可能な仕組み」だけではなく、「債権者が事業継続や最終処分の義務を負う」でないと納得できるものではないことを申し添えておきます。
問15)
4/23の説明会で表明された「円高、インフレ、中国電力の接続制限と言う悪条件でも事業を継続できる計画」をお知らせください。撤去費用の積立方法と、その費用を修理や他の用途に回さないという内規などをお知らせください。加美町において契約しようとされている完成から16年目にやっと撤去費用の積み立てを開始するような事では納得できるものではないことを申し添えておきます。
以下は、方法書説明会にて質問に上がっていたものの納得のいく回答を得られなかった質問について、改めて質問をさせていただきます。
問16)
保安林解除にあたり、調整池や排水施設等の規模決定根拠についてご説明をお願いいたします。
問17)
保安林機能の代替施設とは何か?
問18)
管理道については林業事業者との共用を認める方針であるか?
問19)
その場合、管理道部分は保安林解除許可で申請するのか、保安林内解除許可で申請するか?
問20)
風力発電施設の整備により「地形」が改変する面積はどの程度か?
問21)
風力発電施設の整備計画のレイアウト図をお示し下さい。
問22)
下流域の治水対策をどのように計画されるかお伺いいたます。開発行為による負荷流量により、既存の市管理河川の流下能力を越えるのではないか懸念がございます。シミュレーションとその結果についてご共有をお願いいたします。
問23)
また開発行為による負荷流量は下流の治水ダムの既存の放流量に上乗せとなりますが、どのような対策を取られるのかをお教えください。
問24)
上水道の水源地が下流にございますが、濁水により濾過膜閉塞により、緩速濾過池が機能不能となり、水道水を供給できなくなると考えられます。濁度については如何様に考えていらっしゃるかお考えをお聞かせください。
問25)
昨今の状況からして、線上降水帯を考慮した降雨強度で設計すべきですが、貴社の考えを伺いますので、お教え下さい。毎年、梅雨末期の集中豪雨や台風による豪雨により、山腹崩壊を確認しています。これは脆弱な砂質土のため、降雨により地中の含水比が上昇すると固結状態が解放され浅層崩壊が発生するというものです。この地域では、「しゃき土」と呼ばれています。開発区域には、この「しゃき土」が露呈することは確実であり、建設中の土砂災害や山腹崩壊による土石流の対策をすることが必要と考えますが、その点について具体的な対策とご意見を伺いますので、お答えいただきますようお願いいたします。
以上となります。ご回答をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
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