伯耆町を考える会の方々により、日本風力エネルギー株式会社(ヴィーナ・エナジー グループ(本社シンガポール))が計画する大規模な風力発電事業計画について、先日の3月10日に伯耆町の鬼の館にて勉強会が開催されました。 勉強会の講師には私たちも大変お世話になった 武田恵世先生 をお招きし、地域の方たちに風力発電の問題について正しく理解してもらいました。 勉強会の動画はこちら↓ https://www.youtube.com/watch?v=qP9Yw9xnmZo 鳥取西部風力発電は、安来・雲南で計画されていたものよりも規模は大きく、大変な危険性をはらんでいます。風力発電の問題はなにか?と聞かれても一言では言い表せないほどの多くの問題を抱えています。その中でも一番の懸念は健康被害です。騒音、低周波、PFAS、ビスフェノールAなど多くの問題を抱えています。 鳥取西部風力発電の計画は、直接的には建設予定地である伯耆町、南部町、江府町、日野町と4地域の問題と考えがちですが、この計画は米子市の生活水を支える水源でもあります。能登半島のような災害によって風力発電が損傷し、ブレードの損壊によってBPAやPFASが水源や土壌を汚染すれば、米子市の水道水の安全が脅かされることになります。 ブレードの有害物質について https://www.business-humanrights.org/en/latest-news/norway-ngo-raises-concerns-over-environmental-impact-of-chemicals-used-in-in-wind-turbine-blades/ どちらかというと米子市の方々の方がこの鳥取西部風力発電計画の問題については取り組んでいかねばならないと思います。
昨年、市議会へ風力発電計画の中止を求める陳情書を提出した後、多くの方々にご理解とご協力をいただくことができ、各団体からも風力発電への計画反対の意思を事業者へ示していただきました。そして、先日事業者より本計画を断念する発表がございました。 世界中で飲料水の枯渇、汚染などの問題が起きている中、私たちの生活水を支える水源域に風力発電を建設することは将来に取り返しのつかない事態を招きかねないリスクがあります。自然豊かな森林環境を何十ヘクタールも喪失することは、脱炭素と持続可能な社会の構築という観点からは疑問を感じざるえません。また、地震大国の山々の山頂に風力発電の建設をすることはリスクが大きく、能登半島の風力発電施設も多大な被害を受けました。脱炭素はグローバル政策であるから良いもの、長いものには巻かれれば良いと、なし崩し的に受け入れるのではなく、国土風土に合わせてよく検証を重ねて取り入れて行くべきです。地方は衰退し、これから先も足元を見た儲け話や失策の負担が増えてくると思います。今回の風力発電は始まりに過ぎないと感じます。自分たちの地域は自分たちで守らなければならない。今まで以上に情報を収集し、分析と見極を行い、地域の人たちと連携、共有し意見交換を行う。こういった体制を作り上げて維持していくことがこれからの地域社会には必要不可欠なことなのかもしれません。 「 風力発電施設建設を断念 安来、雲南で計画の民間事業者 環境への影響、収益性を考慮 」山陰中央新報より